併せて中期計画も見直されて発表されていますので、決算内容を簡単に分析してみます。
2012年度の実績は売上1.6%減収、14.9%営業減益、12.4%最終減益となっています。
葬儀業界に追い風が吹いていると言われる中で、なかなか業績を伸ばせていないのが最大手の公益社という状況です。
上記グラフの2013年以降は、今回見直された中期計画になります。2014年以降は経常利益額ですが、営業利益と大差ないと思います。
今期は基盤整備が続きますが、来期からは売上も伸びていく計画になっています。
公益社の売上が伸び悩んでいるのは、新たに進出した関東では順調に葬儀件数を伸ばしているものの、強固な地盤だった関西圏で葬儀件数が減少しているためです。より市場の大きい関東から全国展開を目指しているところで、本丸が傾きかけたという感じです。
もともと燦ホールディングスは社葬などの大型の葬儀が強くて、葬儀会館も大型でコストをかけた巨艦主義でした。関東でも価格の安い葬儀は眼中になくて、数年前に古内耕太郎社長は、葬儀価格の下落傾向の流れも燦ホールディングスには関係ない!公益社のターゲットは富裕層中心で、セレブ葬を標榜しているという趣旨の発言をしていました。当時から業績は伸び悩んでいたわけですが、強気だな〜と感じたものです。
そんな公益社もさすがに世の中のトレンドには逆らえなくなったのか、今回の中期計画では
小規模葬儀への対応強化 を打ち出しています。
直葬、低価格・簡易型の家族葬などの新たな葬儀ニーズへの対応を強化する と書かれており、直葬にも対応していくようです。
セレブ葬から一転してセルフ葬まで幅を広げるようです(笑)
ちょっと戦略が迷走気味ではないか?と感じてしまいますね。そこまで低価格帯に取り組んでいくなら、小さなお葬式でも買収すれば良かったのにね!
小さなお葬式はユニクエスト・オンラインというネットベンチャーが始めた葬儀仲介サイトの様なものですが、業界を変える!とかっこいいことを言っておきながら、良い値段で買ってもらえそうだ!となったらあっさりと、さがみ典礼ブランドで展開している大手互助会会社アルファクラブグループに売却したようです。
経営者はどんなに耳触りの良いことを言っていても、口先だけという人も多くいます。しっかりと行動を見て判断していかないといけませんね!
そんなわけで高価格帯の葬儀中心に展開してきた燦ホールディングスが、直葬、低価格・簡易型の家族葬などの新たな葬儀ニーズへの対応を強化すると急に言い始めても、果たしてうまくいくのか、ブランドイメージが毀損して既存顧客の離散を招くだけではないのか、注意していく必要がありそうです。
次に四半期ごとの業績推移を見てみます。まずは売上高です。
冬場の3Q、4Qの割合が高いことが分かります。
2012年の売上推移は過去のレンジの真ん中くらいであり、売上が伸び悩んでいますが、3Q、4Qから徐々に上位に顔を出すようになってきました。この傾向が今後も続くのかがポイントになりそうです。
次に営業利益の推移です。
3Qの営業利益は過去10年間で最高になりましたが、4Qは大きく失速してしまいました。
2012年度は計画以上に利益が出そうだったので、4Qではあまり利益が出ないようにブレーキを掛けたのかもしれません。売上が伸びているのに利益だけここまで減るのはちょっと理解できません。
今期以降の利益確保に備えて費用を前倒し計上したのか、ボーナスを大盤振る舞いしたのか、どんな要因でこんなに利益が減ったんでしょうね?
こんなに利益が出ているなら株主優待を廃止するな!と言われるのを避けるためかも(笑)
富裕層をターゲットとしてセレブ葬を中心に展開してきた公益社が、低価格帯の葬儀を強化して業績回復が図れるのか?注目していきたいと思います。
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