今回は前回の記事 → ティア2012年決算分析1 に続いて売上の背景を見ていきます。
まずは死亡者数の推移を見てみます。
上記のグラフは過去3年間の日本の死亡者数を、前年同月と比較したものです。前年より増えると上側に、減ると下になります。ティアが分析の主体なので、決算期に合せて10月スタートになっています(笑)
グラフを見れば分かるように、2010年、2011年はほとんどグラフが上になっています。死亡者数が前年同月を上回って推移してきたということです。2012年も2月までは同じような傾向でしたが、3月以降ずっとマイナスが続いています。
長生きする人が増えてとても良いことですが、年金や健康保険など日本国の財政と葬儀業界にとっては厳しい環境です。上場している葬儀会社の2012年4〜9月決算を見ても、燦ホールディングスは地盤の関西で苦戦し、減収大幅減益という苦しい決算になっています。ついに株主優待も廃止になってしまいました。厳しさがうかがいしれますね!
神奈川県のサンライフも葬儀件数が減り、葬儀事業は減収減益になっています。
同じく神奈川県の平安レイサービスは、厳しい事業環境の中でもシェアを伸ばし葬儀件数も増加して増収増益になっています。
ティアが主に事業展開している愛知県の状況は下記の通りです。
愛知県内でも全国ほどではないですが、6月以降は死亡者数が減少傾向となっています。
そのような厳しい環境の中でも葬儀件数・売上とも伸ばしています。
他社と合せて下期の状況を見ても、売上は7.2%増となっています。厳しい事業環境下でこそ、真の企業の実力が現れてくると思います。
売上を構成するもう一方の要素である葬儀単価ですが、会葬者数の減少で葬儀が小型化する中で、葬儀の受注に際し葬儀付帯品を提案する専門スタッフの増員等により、前年同期比0.8%増となりました。
年度ごとのティア直営事業の葬儀単価推移は下記のようになります。
上記の単価は、直営事業の売上高を葬儀件数で割ったものであり、法要などの売上も含まれるので正確な葬儀単価ではありませんが、傾向を見ることはできると思います。
2013年の値は、今期の計画から私が推定したものです。
2010年までは単価の下落が続いてきましたが、2011年から横ばいとなり若干底打ちという感じです。葬儀単価の下落も落ち着いてきたようです。
ティアの葬儀件数は伸び、葬儀単価は底打ちしつつあるのでティアの売上も好調に推移しています。
葬儀件数が伸びていることから、愛知県内でのティアのシェアも上昇しています。
下記のグラフは愛知県内での、四半期ごとのティアの推定シェアの推移グラフです。
期によって上下はあるものの着実にシェアは上昇しています。この数値の中には愛知県外での葬儀受注も一部含まれているので、厳密なシェアではありませんが、個人レベルで推定できる範囲ではかなり確度の高いデータだと思っています。
5年前は7%前後のシェアでしたが、2012年には10%を超えて、足元では11%も超えています!
死亡者数が減る中でも着実にシェアを上げていることが分かります。
2012年度の既存店売上高は2.1%増となりましたが、今期の計画でも既存店売上高は1.8%の伸びを見込んでいます。
毎年新規会館をオープンしながら、葬儀会館ネットワークを充実させつつ既存店売上高も伸ばしているので、安定した売上成長を続けています。
今後も外部環境にかかわらず、着実に成長していって欲しいですね!
次は利益の中身についてもう少し詳しく見ていきます。
2012年下期は、関東進出1号店の9月のティア越谷オープンに向けて先行投資が発生したことから、下期の利益は前年を下回っています。
今期はティア越谷も業績に貢献できるよう期待しています!
→ ティア2012年決算分析3 分析完了(笑)
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タグ:ティア2012年決算分析