毎月20日頃には名古屋市内の人口動態統計速報も発表されるんですが、今月は予定日を4営業日過ぎても発表がありません。ホームページには「8月23日に公表予定でしたが、集計作業の遅れにより、数日間公表を延期いたします。利用者の皆様にはご迷惑をおかけいたしますが、ご理解いただきますようお願いいたします」と記載された状態が続いていますが、なぜこんなに遅れているんでしょうか?
発表当初は1日くらいの遅れなんだろうな〜と思っていましたが、29日になっても発表されていないと心配になりますね!
そんなわけで今回は日本全国の人口動態統計速報を分析してみます。
日本全国の状況が気になったのは、葬儀関連上場企業の4〜6月の業績が伸び悩んでいることもあります。各社の決算短信を読んでみても、死亡者数が減少して葬儀件数が前年を下回り、葬儀事業が伸び悩んだというような記載があります。
業界トップ 公益社ブランドの燦ホールディングス(9628) 4.5%減収、46.1%営業減益
「公益社グループの中核会社である褐益社では、葬儀件数が前年同期比6.7%減少しました。一般葬の件数は、前年同期比関西圏で7.6%、首都圏で1.5%とともに減少し、トータルで6.7%減少しました」
関西圏での葬儀件数の減少が大きいのは、南海電鉄が運営するティアとの競合が激しくなっている影響だと感じます。関西圏で南海電鉄は出店攻勢を続けていますので(^_^)v
神奈川の互助会 平安レイサービス(2344) 4.3%増収、4.8%営業増益
「営業エリアにおける死亡人口増加率は当初予測を下回る減少となりましたが、前期開業の葬祭新店舗「湘和会館長後」(藤沢市高倉)が順調に施行件数を伸ばす等、シェア率が増加したことにより施行件数は前年同期比で増加、葬儀一件単価も前年同期比で増加した。高付加価値商品の販売強化により営業増益」
平安レイサービスは葬儀事業セグメントの業績を抜き出していますが、新規葬儀会館のオープンなどでシェアを向上させ、増収増益を実現しています。
神奈川の互助会 サンライフ(4656) 4.4%減収、16.6%営業減益
「当第1四半期連結累計期間においては、ご葬儀1件あたりの売上高は前年同期比で増加したものの、死亡者数が減少したためご葬儀件数は減少し、売上高は前年同期比4.4%減。」
サンライフも平安レイと同様平塚市に本社を構えて、営業エリアも重なる部分が多いですが、こちらは死亡者数減少の影響をそのまま受けて、減収減益になっています。ただ2社とも葬儀単価は上昇していると書いてあり、神奈川県では葬儀単価が上昇しているようです。サンライフも葬儀事業セグメントの業績です。
愛知県 ティア(2485) 2.3%増収、23.0%営業減益
4〜6月はティアにとっては第3四半期に当るので、特にこの期間に限ったコメントは短信には載っていません。9ヵ月間累計では増収増益なので決算短信もそのような記述になっています。
ティアの3Q決算の分析については、下記の記事をご覧ください。
ティア2012年第3四半期決算分析
意外と前置きが長くなってしまいましたが、他社の決算を見て全国的な死亡者数の状況はどうなっているのだろうと思い、分析してみました。
過去9年間の月ごとの死亡者数推移は上記のグラフの通りで、傾向としては増加していることが分かります。2012年の推移を見ると、2月は前年を大きく上回りましたが、2月以降は前年を下回るようになり、特に4月・5月と減少幅が大きくなっています。2010年・2011年のこの時期死亡者数の伸びが大きかったので、その反動という面もありそうですが、これだけ減少が続くのも近年では珍しい現象です。
上記グラフは、過去3年間の前年同月比増減を抜き出したものですが、前年を上回る月がほとんどで、前年を下回っても僅かだったことが分かります。それが2012年4〜6月は減少幅も大きいですし、4ヵ月連続して前年同月を下回っています。
どの地域で死亡者数の減少が大きいのかは分かりませんが、2012年4〜6月累計で全国では死亡者数が4.0%減となっており、葬儀業界には厳しい環境だったことが分かります。
この期間の名古屋市内の死亡者数は2.2%減、愛知県内では0.6%増となっており、ティアの業績への影響は限定的だったようです。
とはいえ前年同月比で死亡者数が5千人以上も減少するのは2005年以降、2006年3月、2009年2月、2012年5月、2012年6月の4回しかありません。
7月以降どんな数字が出てくるのか気になりますね。
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タグ:全国の人口動態統計