ティア2012年第3四半期決算分析1 に続いて決算内容を分析してみます。
まずは売上のベースとなる、名古屋市内の死亡者数の対前年同月比は下記の通りです。
ティアの3Qにあたる4〜6月は、4月だけが前年比増加となっていますが、残り2ヵ月は前年を下回っています。5月は前年増加した反動と言えそうですが、6月は9.7%減と大きく下回りました。
この影響で3Qの名古屋市内の死亡者数は2.2%減となり、9四半期振りの前年同期比減となりました。
そのためティアの売上高も影響を受けて、3Qのティアの売上は前年を若干上回る程度の2.3%増に留まりました。しかしながら死亡者数が減少する中で売上を伸ばしたことはとても評価できると思います。
上記グラフはティアの直営会館での葬儀施行件数の推移ですが、2012年3Qは1,488件となり前年同期比3.6%の増加となっています。名古屋市内にも2会館オープンしましたし、着実に葬儀会館ネットワークを広げてシェアを上げているようです。
ただこのグラフを見ても分かるように、4Qの計画値(通期計画から3Qまでの実績を引いた残り)はかなり高い目標になってしまっており、売上計画の達成は件数から見てもちょっと厳しいと思います。
一方売上決定のもう一つの要因である葬儀単価の推移は下記の通りです。
参列者数の減少で減少傾向が続いてきましたが、2011年1Q(2010年10〜12月)で底を打って以降横ばいで推移しています。葬儀単価は維持しつつ、受注件数を伸ばすことで売上を伸ばしています。
次に営業利益率の推移を見てみます。
2011年は前年までのカンブリア宮殿効果が剥落したことや、その落込みをできる限り軽減するために広告宣伝費などを積み増したことで利益が急減し、ティアにとって厳しい1年になりました。東日本大震災が発生したこともあり、株価的にも厳しい1年になりました。
今期は一転して、好調だった2010年を上回る好業績でスタートを切り、2Qまでは絶好調で推移しています。利益率で見ても2Qは過去最高の営業利益率を記録しています。
この要因として、葬儀会館などの人員が不足気味で中途採用を計画していたものの計画通りに採用が進まず、人件費の発生が後ろにずれたことを挙げています。このため採用が進む3Q以降は利益が減少すると説明していましたが、確かに3Qでは営業利益額・利益率ともに前年同期を下回りました。
今後関東進出も本格化してきますし、人財の育成は最重要課題になりますが、人を育てるには時間がかかるので人財への先行投資は大切です。
次に経費の内訳を見てみます。
売上原価率は仕入れ価格の見直しなどで低下傾向が続いてきましたが、3Qでは葬儀会館の人員増強などもあって前年並みまで増加しています。こうした先行投資は関東での成功など、来期以降の売上につながって欲しいと思います。
売上が伸びていけば規模のメリットも効いてきますし、原価率は徐々に低下していくと期待しています。
次に販管費率の推移を見てみます。
販管費率については徐々に上昇傾向です。
ただ原価が売上の70%近くを占めているのに対し、販管費は23%程度なので、原価に比べると利益への影響は小さくなります。
販管費の内訳は分かりませんが、関東でのティアの会の会員募集活動費や、知名度向上のための広告宣伝費など、関東進出に伴う経費の増加などの影響もあると思います。関東本部も本格的に始動しているので、前年までと比べると販管費率は上昇しています。
ぜひ関東進出を大成功させて欲しいですね!
以上のように、全国的に死亡者数が減少する中で、ティアにとっては第2の創業期にも匹敵するような関東進出の準備をする中で、好業績を維持しているのはとても評価できます。
今期の活動が来期以降の関東進出の大成功として、業績にも早く寄与してくると嬉しいですね!
まだまだ暑い毎日が続きますが、地盤の中部圏で、関西圏で、そして新規の進出先となる関東圏でも、無理せず(笑)ティアイズムを全国に届けるために頑張って欲しいと思います。
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