2013年11月26日

2013年度決算分析2

ティアの2013年度決算短信の内容について疑問に感じた点を中心に色々と聞いてきましたので、まとめてみます。
基本的に順調に進んでいる点については特に質問もしません。
やはりメインの投資先については、心配のタネをつぶしておきたいというのが中心になるので、ヒアリングでは小さな点でも不安点について詳しく聞くというスタンスになります。
なので懸念材料ばかりじゃないか!と感じられるかもしれませんが、そうではありません^_^;
ティアの業績は順調に推移していますし、これからも安定成長が期待できるというのが基本的なスタンスですが、そのうえで気になる点について詳しく質問しているということをご理解ください。
11月15日には東京で決算説明会も開催しているので、ぜひ決算説明会の動画もホームページにアップしてほしいとお願いしてきました
決算説明会資料も参考になりますが、
やはり社長がどう語っているのか?というのはとても重要です。
ぜひ決算説明会の動画を掲載して、情報を幅広く発信してほしいと思います。

まず疑問に感じていたのは、2013年第4四半期の業績が期待したほどではなかった点です。
2012年の4Qは関東進出で販管費も増加していることから、前年同期比でのハードルは低くなり、3Qまで順調に推移していたことから4Qも大幅な増益を期待していました。そうなると前年に続いて上方修正があるのではないか!と期待していました。
しかし4Qの利益が思ったほど伸びず、計画は上回ったものの上方修正が必要なほどには伸びませんでした。4Qの販管費率が高くなっているので、計画を大幅に上回って来期のハードルを上げる必要はない、テレビCMなどじゃんじゃん流して経費を使おう!みたいな動きがあったのではないか(笑)と疑心暗鬼になっていましたが、そんな無駄な経費を使うようなことはしていないということでした。
ティア2013年決算分析
上記のグラフの通り、2013年4Qの販管費率は予想以上に高くなりました。売上も伸びていますし、2012年と同様の傾向で24%くらいに落ち着くのでは?と期待していたんですが^_^;

会社側の説明によると、8月までは確かに絶好調で推移しており、9月の業績も伸ばそうと計画的に販管費なども投入したが、予想に反して9月の売上が失速し、結果として販管費率が高くなってしまった。失速した原因は、全国的に亡くなる方が減少したためであり、競合他社との競争に負けたということではない。
月ごとの死亡者数は変動が大きく、増えたり減ったりを繰り返しているので、売上も死亡者数増減の影響を受けることになる。
関東でのティアの知名度はまだ低いので、埼玉でテレビCMなどを流しているが、予算が余りそうだからCMを流すなどということはない(苦笑)そうです。
死亡者数が減ったのならしょうがない、と納得しました。

が!名古屋市内の月ごとの死亡者数推移を見てみると、9月は前年に比べて大幅に増加していました。
ティア2013年決算分析
前年同月比でみると、7月が前年を200人以上も上回っていて、8月は微減、9月は141人の増加となっています。
このグラフだけだと会社側の説明が理解できないので、月ごとの死亡者数推移を見てみます。
ティア2013年決算分析
ピンクが2013年の推移を表しています。
このグラフを見ると7月は例年と比べても大幅に増加していることが分かります。8月は7月の反動もあるのか若干の減、9月は例年並みか若干上回っているという感じです。ただ死亡者数自体は7月、8月、9月と確かに減少しています。
とはいえ4Qの業績が期待を下回った理由としては、なんか腑に落ちない感じがしてきました。このグラフを元にもっと突っ込んで聞いてこればよかったですね。まだまだ詰めが甘いです(^_^;)

販管費や売上原価についてはさらに詳しくまとめる予定です。
次に気になっているのは、新規のFCクライアントの開拓が進んでいないことです。
2010年8月に株式会社アルファとFC契約を結んで以降、新たなFC先が出てきていません。
既存のFCクライアントは順調に会館をオープンしていますが、やはり新規のクライアントが広がっていかないと、中長期的な計画である200会館を実現できません。外部から専任の取締役も迎えて取り組んでいるはずなのに、新規のFCクライアント開拓についてはどうなっているのか聞いてみました。

新たな手法でFC開拓に取り組んだり、FC展にも継続的に出展するなど取り組みを行っているが、2011年の東日本大震災以降、新たな事業展開に慎重になるクライアントが増えている。直営と同じティアブランドで事業展開するので、ティアイズムをしっかりと理解してもらうことも重要であり、クライアントは厳選する必要もあることから、引き合いはあるもののなかなか契約までは至っていない、という説明でした。
ティア2013年決算分析
ティアは葬儀会館数を順調に伸ばしてきていますが、FC会館伸びが牽引している形です。
クライアント数が増加すればさらに会館数の伸びが加速していくので、そろそろ関東圏でも新規のクライアントが出てくるといいな〜と期待しています。関東での知名度を上げるうえでも大手のクライアントが決まると心強いですし、FCの力も借りながらティアの会館が面として広がっていけば、知名度向上にも寄与します。
そろそろ秘めたる底力を見せてほしいですね(笑)

期待の投資先ほど厳しくチェック!というのが私のポリシーなので、辛口の発言・評価が目立つかもしれませんが、これは期待の裏返しなのでぜひ期待に応えてほしいな〜と思っています。
さらに決算分析は続くと思われます。
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posted by Zaimax at 16:08 | Comment(1) | TrackBack(0) | 業績情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月14日

2013年度決算分析1

2013年11月11日にティアの2013年度の決算が発表されました。
増収増益で順調な業績が続いています。
ただ上方修正を期待していただけに、修正がなかったのは少し残念でした。
ティア決算分析
上記のグラフの通り安定した成長を続けており、今期2014年も増収増益を計画しています。
2009年7月に全国ネットのカンブリア宮殿で取り上げられた後、テレビで取り上げられることが多くなり、2010年は業績が急激に伸び、2011年はその反動減で減益になりましたが、この2年をならせば安定的な成長が続いており、実質的には9期連続で増収増益と考えています。
2006年の業績が横ばいなのは、2006年6月に上場したことから一時的な上場費用などが発生しているためです。

今回の決算短信で注目すべき点は、安定した成長が続いていることと、今期から中間配当を開始することです。
葬祭業は季節変動が大きく、冬場は業績が伸びるものの春から秋にかけては特に利益面で伸び悩みます。
そのためティアは業績が確定する期末にしか配当を行ってきませんでした。それが今期から中間配当を開始するというのは大きなニュースだと思います。誰も注目していないみたいですが(^_^;)
中間配当には2つの意味があると思っています。
1つは閑散期にもある程度の業績を上げられる力が付いてきたという意思表示という意味です。
経営陣が今後の業績に対して自信を持っている表れであり、とても良いことだと思います。
もう1つは3月末の株主数もある程度確保したいという意思があると思っています。
ただ中間配当だけではインパクトが弱いので、以前のように3月末の株主優待も復活させてほしいな〜と期待しています。
9月末はお米、3月末はギフトカードなどの株主優待があればもっと個人株主が増えるのに!と思います。

決算分析の続きですが、葬儀件数(左軸)と単価(右軸:万円)の推移は下記の通りです。
葬儀単価は直営の売上高を葬儀件数で割った概算値を使用しています。2014年はアイル想定値(笑)
ティア決算分析
このグラフを見ると葬儀件数は順調に増加している反面、葬儀単価は順調に?(笑)低下しています。
元々、葬儀価格は不透明で高い!葬儀業界を透明化しなければ!というのがティア創業の原点なので、緩やかに低下するのは織り込み済みですが、あまり急激に低下するのはよくありません。
他の葬儀会社は件数の伸び以上に単価が下がって業績が伸び悩んでいる会社も出てきています。
ここ4年ほどは葬儀単価の下落が横ばいという感じになっている一方で、葬儀件数は順調に伸びているので好業績が続いています。今期も安定した伸びを見込んでいます。
上記グラフで注目すべきは2010年です。
カンブリア宮殿効果で葬儀件数が急激に伸びましたが、葬儀単価は急激に下がっています。
テレビで激安葬儀!という捉え方をされたことから、低価格の葬儀依頼が増加したという面もあるかもしれませんが、想定以上の急激な件数増加でティアらしいご遺族の要望を最大限くみ取ることができず単価下落につながった面もあると思います。
その後は現場の人員も増員し、葬儀の打ち合わせを専門に行う葬儀アドバイザーも増員したことが葬儀単価の維持につながっています。
今期の葬儀単価も私の勝手な想定値ですが、ほぼ横ばいを見込んでいるようです。
人員の増加により販管費率(右軸)は上昇しています。
ティア決算分析
売上も伸びていることから、今期の販管費率は初めて低下を計画しています。本部費用などは売上に比例して伸びるものではないので、今後は販管費率は緩やかに低下していくと見込んでいます。
一方で売上原価率は売上拡大によるスケールメリットもあり低下が続いてきましたが、今期は初めての上昇を見込んでいます。来期以降の積極出店を見据えて人材採用が先行するためと説明していますが、前期途中から稼働を開始した物流センターも本格的に稼動すると思いますし、これほど上昇することはないのではないか?と感じます。
この部分は保守的な計画になっている感じがします。
今期も上方修正を期待しています(笑)

ティアの凄いところは財務体質を強化しながらROEも高水準を維持していることです。
ティア決算分析
株主資本比率も33%を超えるまで上昇し、財務的な安全性も高くなりました。
このグラフを見ると、ティアは今後も安定成長を続けていきそうだな〜と安心しますね!
これからも好業績が続くのを期待しています。
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posted by Zaimax at 16:37 | Comment(0) | TrackBack(0) | 業績情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする