詳しいレポートは下記の記事をご覧ください。
燦ホールディングス会社説明会レポート 2012年3月17日
古内耕太郎社長は葬祭業を巡る行政の新しい動きが燦ホールディングスには追い風になる!など強気の発言が目立ち、競合他社と比較しての優位性などを強調していました。欧米のCMなどで多く使われる他社商品と比較してのネガティブキャンペーンみたいなイメージなんでしょうね。ここ数年葬儀会社の社長が本を出す出版ブームが続いていますが、ついに古内耕太郎社長も本を出したそうです。
古内耕太郎、坂口幸弘著
この辺りもティアの冨安社長を意識しているように感じてしまいますし、出版とともに講演会の依頼が増加して年間30件に増えた、と説明した辺りにもティアを意識しているように感じてしまいました(笑)桁が違いますけどね!
説明会を聞いていて気になったポイントは、
公益社の規模がティアと比べて圧倒的に大きいこと 売上で2.3倍
それでも専門葬儀会社の売上は冠婚葬祭互助会と比べると半分以下
専門葬儀社の売上ランキング
1位公益社174億円、2位ティア76億、3位セレモアつくば(東京都)65億円、4位公益社(京都市)61億円、5位福祉葬祭(さいたま市)57億
冠婚葬祭互助会の売上ランキング
1位ベルコ(大阪府)574億円、2位日本セレモニー(山口県)355億円、3位出雲殿グループ(浜松市)399億円、4位セレマ(京都市)330億円、5位平安閣グループ(名古屋市)301億
2位以下はだんご状態ですが、公益社はさすが創業80周年の強みなのかまだまだ遠い存在です。古内耕太郎社長が他社など気にも留めないような発言をするのもうなずけます。
一方で顧客を強力に囲い込んでいる冠婚葬祭互助会はさらに巨大で強いですね!上記売上が葬儀部門だけなのか、冠婚も含んだ全社売上なのかは分かりませんが。
1位のベルコは強引な勧誘やなかなか解約に応じてくれないなどの問題も指摘されていますが、さすがに強力な営業力で他社を引き離しています。
2位の日本セレモニーは、冨安徳久社長が葬儀業界に飛び込むきっかけとなった西日本セレモニー山口典礼の源流?の葬儀会社だと思います。3位の出雲殿グループはみなさんご存知の通り(笑)冨安徳久社長が西日本セレモニーの次に入社した会社です。4位のセレマは京都市の会社ですが、専門葬儀社4位の公益社も京都なので京都には大きな葬儀会社が集まっているんですね!さすが葬儀を大事にしているのでしょうか?
そして5位は現在ティアの最大のライバル、と言ってもかなり差を付けられていますが(^_^;)平安会館を展開している平安閣グループです。売上はティアの3.9倍です!
公益社のエンバーミング割合が6〜7割と高いのにも驚きました。土葬が中心のアメリカなどではエンバーミングが普通なのかもしれませんが、日本ではほとんど普及していないと思っていました。
費用も税別で12〜15万円かかるのに、エンバーミングの良さを丁寧に説明すれば7割近い遺族が希望するというのが驚きでした。
エンバーミングすることで遺体の腐敗を防止できるので、葬儀時期を遅らせることが出来たり、生前に近い姿で見送ることができるので、遺族の方々の心のケアにもプラスになるなど、多くのメリットがありそうです。ぜひティアでもエンバーミングに積極的に取り組んでほしいなと感じました。
日本では年間2万人くらいがエンバーミングを行っていますが、そのうちの4〜5千人分を公益社が実施しているそうです。
エンバーミングは遺体を化学的に処理しますが、体液などの取り扱いに注意が必要なものが出るので、専用の施設が必要で、空気も出来る限り外に出ないように施設内は負圧になっているそうです。
薬剤などはアメリカから輸入していて、エンバーミングを行うには厚生労働省認定の資格が必要だそうです。記事でもエンバーミングの施設と技術者の認定は社団法人日本遺体衛生保全協会(IFSA)が行っていると書いてあります。現在エンバーミング施設は31ヵ所、認定エンバーマーは約130人だそうです。なんでも協会ができて利権団体になってしまうんですね(^_^;)
ここも厚生労働省の天下り先になっているのでしょうか?
公益社は東京と大阪にエンバーミング施設を1ヵ所ずつ持っているそうです。それなりの規模が必要なので、大手の葬儀社でないとエンバーミング施設を持つのは難しそうです。
来期からは公益社も拡大路線に舵を切り、富裕層が多く住むエリアを中心に出店攻勢をかけて行くようです。田園調布会館は株式会社メモリアルアートの大野屋が運営していたリコルド田園調布をそのまま借りて、公益社 田園調布会館としてオープンしたが、今後は自社会館も検討しているようです。そういった投資資金を捻出するため、(記念配を落としただけという説明ですが)配当を減らしたり、株主優待を半分にしたりしたようです。
地盤の大阪では、2011年の1年間で21もの新規葬儀会館がオープンしており、競合が激化しているそうです。南海電鉄は今年はさらに新規オープンラッシュを迎えているので、公益社と言えども足元を脅かされる怖さを感じているのかもしれません。それが古内耕太郎社長の、T社は名古屋は自社で葬儀会館を展開し、それ以外はフランチャイズで事業展開する考えでフランチャイジーが葬儀会館を展開するが、自社と違ってフランチャイジーでは葬儀の品質を維持することは難しいのではないか?と個人的には感じている。なので現段階ではT社は脅威ではないと判断している という発言になっているのかもしれません。
関西で南海電鉄がいくら多くの葬儀会館を新設しても、ティアの直営会館ほどのサービスは提供できないと思うので、現状ではまったく脅威には感じないようです。逆に言えば、ティアの直営葬儀会館のサービスには脅威を感じているのかもしれませんね(笑)
いくら業界最大手とは言え、公益社社長からこんな風に小馬鹿にされて、南海電鉄子会社で葬儀事業を担当している株式会社グリーフサポートの方々は発奮しないのでしょうか?
ぜひ関西でも公益社に脅威を感じさせるほどにがんばって欲しいと思います。
今後ティアの展開エリアが広がるにつれて公益社とも競合する可能性がありますが、古内耕太郎社長が言うように公益社は大型の社葬や個人葬でも富裕層向けの高単価のセレブ葬をメインターゲットにしています。この点ではティアとは棲み分けができるのかもしれませんね。
それにしても葬儀会社に投資する際は、バランスシートをよく分析して判断してほしいと何度も強調するなど、ティアを強烈に意識していることはありありと感じることができました(笑)
そんな熾烈な場外バトルを繰り広げている上場葬儀会社ですが、株価の推移を見ると古内耕太郎社長の鼻息が荒いのも分かりますね!
上記は過去1年間の上場している葬儀会社の株価推移を比較したものです。
9628燦ホールディングスが圧倒的に投資リターンが高くなっています。次いで2344平安レイサービス、4656サン・ライフが激しい2位争いを繰り広げる中で、2485ティアは断トツの最下位です(泣)ずっと4位キープとは悲しすぎます。
2011年度の期待外れの業績下方修正が大きく影響しています。今期はしっかりと業績も向上させて株主や投資家の信頼を取り戻してほしいものです。
そんな4社の株価推移ですが、期間を変えるとまったく違った姿が見えてきます。
今度は過去5年間の株価推移を比較しています。
5年というスパンで見ると、ティア以外の3社はマイナス10〜20%程度でどんぐりの背比べ状態です。5年間の長期に渡って保有を続けたら、いまだに含み損を抱えた状態が続いていることになります。私もおかげさまで含み損が続いています(^_^;)
一方で古内耕太郎社長から、葬儀会館を次々と新設し、売上・葬儀件数は伸びているが借金が多くて新規投資に資金を回す余裕がない!とばっさり切り捨てられた名古屋のT社は、2011年は株価が急落したもののそれでも5年間で60%以上の含み益になっています。2010年秋に売却できたら2.5倍になっていたことになります。今さら言ってもしょうがないですが(笑)
財務内容が悪くて今後の成長投資も難しそうなティアなんかに投資するより、投資資金も豊富な燦ホールディングスにぜひ投資して欲しい!と暗に語っていた古内耕太郎社長ですが、どちらに投資した方が報われるのか、数年後?半年後?(笑)の株価を比較して記事にしてみたいと思います。
今後の業績の伸びは燦ホールディングスとティアでどちらが高いのか分かりませんが、株価が出遅れている方が今の相場環境では期待できそうに感じるんですけどね。
かなりバイアスがかかっていますので、割引いて判断してくださいね(笑)
両社が競い合うように株価が上昇していけば、こんなに嬉しいことはありません!
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