ティアホームページ IRカレンダー
数年前から決算説明会に参加させて欲しい、それが無理なら決算説明会資料をホームページにアップしてほしいと何度もお願いしてきましたが、やっと決算説明会資料のホームページへの掲載が実現しました。
投資家としての立場からすると、この程度のことになぜこんなに時間がかかるんだろうという感じがしますが、新生ティアというスローガンが実際に動き始めている1つの表れと前向きに歓迎したいと思います。
他社では決算説明会資料のホームページ掲載は普通だと思いますし、最近は動画配信している会社も増えていますので、さらなる改善をお願いします!
一方で2月10日に開示された2012年第1四半期報告書を見ると、開示内容がかなり簡素化されており、葬儀受注件数の地域別内訳や社員数・平均給与などの情報が無くなっていました。
特に葬儀受注件数の地域別内訳データは、私がティアの業績を分析するための重要データの1つだったので、開示されなくなったのはとても残念です。今後ティアは全国展開を目指しているわけですし、地域別の葬儀受注件数や、フランチャイズ会館も含めた地域別葬儀受注件数などもぜひ開示して欲しいと思います。さすが新生ティア!と感じるためにも、ぜひご検討いただきたいと思います。
葬儀件数の分析を行っているのは私くらいかもしれませんが、私があまりにも細かく葬儀件数を分析するので、あまり細かいデータを開示するな!と管理部門内で問題になったのかな(笑)と原因を分析していましたが、IR担当に聞いたところそんな意図ではなく、開示するほど重要ではないと判断しただけだと言っていました。言葉通りに受け取ってもいいものかは分かりませんが(^_^;)
それならぜひ開示してほしいとお願いし、検討するということなので、開示されることを期待しています。
そんなわけで決算短信以上の詳しい分析は困難になってしまいました。
なので今回は今回の決算の感想などを書いてみます。
決算短信をもとにした分析は下記の記事をご覧ください。
ティア2012年第1四半期決算
まず売上高ですが、前年同期比5.3%増となっており一見順調に推移しているように見えます。
四半期ごとの売上推移グラフを見てもきれいに成長を続けています。
しかしもう少し細かく見てみると違った世界が見えてきます。
2011年1Q実績 対 2012年1Q実績
売上高 19.53億円 → 20.56億円 +5.3%
葬儀件数 1,543件 → 1,567件 +1.6%
葬儀単価 123.8万円 → 128.0万円 +3.4%
売上高を件数と単価要因に分けてみると、上記の通り件数の伸びが鈍化している反面、単価が上昇したので5.3%の売上増となっていることが分かります。葬儀単価は大きな葬儀が入れば高くなりますし、やはり葬儀受注件数が伸びていくことが重要です。それだけ多くのお客様に支持されているということになりますし、件数が伸びていかないと成長にも限界が出てきます。
この点で対前年同期比の葬儀件数の増減率を見てみると、2010年度はカンブリア効果が1年を通じて寄与しており、20〜37%近い高い伸びが続きました。2011年に入るとさすがにその反動が出て、
2011年1Q +10.5%、2Q +3.4%、3Q +2.6%、4Q −5.6%
と伸びが鈍り、4Qには前年同期割れという結果に終わりました。
そして2012年1Qは+1.6%となったわけです。この流れを見ると、一応2011年4Qで底を打ち反転に転じたように見えますが、まだ過去のトレンドからすると低い水準です。葬儀件数が今後どの程度の伸びになってくるのか注意が必要です。
ではどの地域で伸びが鈍っているのか?を分析するためには、上記の葬儀受注件数の地域別内訳が必要になってくるわけです。
今回詳細は分かりませんが、名古屋市内のシェア低下傾向が続いているのだと感じます。
IR担当者の説明では、
ティアは2010年6月オープンのティア栄生以来名古屋市内での葬儀会館オープンがない。一方競合他社は名古屋市内でもオープンしており、他社の葬儀会館が増えると近隣のシェアを取られるケースはある
ということなので、やはり名古屋市内で平安会館などにシェアを奪還されているようです。
今期は4月ティア道徳、5月にティア覚王山と名古屋市内に2会館のオープンが決まっているので、徐々にシェアも回復傾向になるのでしょうが、これらの新規会館が本格的に寄与してくるのは来期以降なので、当面はシェアの低下傾向が続くかもしれません。
既存会館の受注強化にも取り組むということなので、その成果がどのくらい出てくるかが重要です。
葬儀単価は葬儀受注の専任スタッフを増員したことで、遺族の気持ちを十分にくみ取って最適な提案ができたことで葬儀単価が上昇したと説明しています。
顧客満足度を高めながら葬儀単価を上げることができたのはとても良いことだと思いますが、葬儀単価の推移を見ると少し懸念も感じます。
確かに前年同期比でみると葬儀単価が上がっていますが、前期比では4期ぶりに低下しています。これが季節要因なら良いですが、2Q以降も反発しないとたまたま上がっただけということになってしまいます。
葬儀単価も安定して上昇していくのかどうか今後の推移を見守る必要があると思います。
今回上半期決算は据え置きましたが、上記の売上推移グラフを見ると1Q・2Qは例年通りの違和感のない動きであり、葬儀件数の伸び悩みはあるものの売上高は会社想定通りに推移しているようです。
一方で営業利益は1Qが比較的高い数字が出たので、2Qが減る計画になってしまい、前回の分析でも1億円くらいは上方修正が期待できるのではないかと書きました。
グラフをみるとその通りなんですが、会社側の説明では1Qに見込んでいた経費が2Qにずれた影響があるので、1Qの決算は会社では想定通りの内容と考えていると説明していました。私が2Qは上方修正の可能性が高い!と期待し過ぎるので、そんなに期待値を上げられても困るという感じでした(^_^;)
費用の発生がずれた影響で1Qが高くなったのであれば、その影響がどの程度なのかは分かりませんが、2Qが1Qの営業利益を下回る可能性もないわけではありません。2Qがどの程度の利益で着地するのか、ちょっと見通しにくくなってきました。過去の傾向を見ても分かる様に、繁忙期である2Qまでにどのくらい利益を上げられるかが通期の業績を決めることになります。上半期に業績の上積みができないと、通期での上方修正の可能性は非常に低くなってしまいます。その点でも2Qの利益水準がどの程度で着地するのかは、今期の業績を占ううえでとても重要になってきます。
もう一つ気になったのが、販管費率は若干下がったものの販管費自体の水準はまだ高水準が続いているということです。
売上は過去最高の1Q実績となっており、グラフをみても昨年までを大きく上回っています。一方で営業利益のグラフを見ると過去最高ではあるものの、2010年を少し上回っているにすぎません。2010年と2012年を比較すると、売上はかなり伸びているのに営業利益は同じくらいになっています。この原因は販管費が高水準で推移し、高コスト体質になってしまったからです。
この点を質問しても、販管費で特に目立って増えているものはないという回答で、納得のいく説明はありませんでした。葬儀会館数も増えているので経費もその分増加するということで、その時はそうなのかな〜と思いましたが、よくよく考えてみると葬儀会館に関する費用は売上原価に計上する部分が多いのではないかという気がします。
販管費が大きな理由はよく分かりませんでしたし、高コスト体質が定着してしまうのは心配ですね。売上が伸びても利益の伸びが小さくなってしまいますし、閑散期である3Q・4Qは売上が減少するのでさらに利益へのダメージが大きくなってしまいます。
売上原価も含めて、メリハリを付けて使う所にはきっちり使う、無駄な部分は徹底的に削減する!という姿勢で、前例に捕らわれず新生ティアとして全社的に改革を進めてほしいと思います。
開示される情報が少なくなったので、細かい分析が難しくなってしまいましたが、表面的ではなくもう少し詳しく内訳などを見てみると、決して楽観視はできない結果だなと感じるようになってきました。
最近小型株の中には上昇に転じる銘柄も増えてきて、私のポートフォリオの中でも株価が大きく上がっている銘柄が増えてきました。
そんな中で、ティアの株価は昨年大きく下がった割にはなかなか上昇に転じていません。谷深ければ山高しの相場格言通りで、本来なら大きく下がった分反発も大きくなるはずです。それなのに完全に出遅れているのは、昨年の業績下方修正が意外だったことと、通期計画の下方修正をせずに決算発表直前まで引っ張ったことで、株主に計画通りの利益が出るのではないか?と過大な期待を持たせてしまい、結果的にそれが裏切られた形になったことが影響していると思います。今期の決算についてもしっかりした結果が出てこないと信用できない!と感じている株主や投資家が多いのではないでしょうか?
信用を築くには長い時間がかかりますが、信用を失うのは一瞬です。情報開示内容だけではなくタイムリーに正しい情報を開示することもとても重要です。新生ティアはIRにも力を入れるということなので、情報開示内容の充実とともに、タイムリーディスクロージャーにももっと留意して欲しいと思います。
今期はしっかりと結果を出し、投資家の信頼を再度取り戻す1年になってほしいと思います。
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タグ:ティア2012年1Q決算